Apple、Intelのスマートフォン向けモデム事業を買収を正式に発表。

Appleは2019年7月26日にNewsroomに「Apple、インテルのスマートフォンモデム事業の持ち分の過半数を取得」とプレスリリースを発表しました。Intelが5Gモデムチップ事業撤退を発表し、モデム事業を買収先がどこになるか話題でしたが買収がAppleと合意しました。

カリフォルニア州クパティーノ、サンタクララ、Appleとインテルは、Appleがインテルのスマートフォンモデム事業の持ち分の過半数を取得する合意書に署名したことを発表しました。インテルの従業員およそ2,200人が、知的財産、装置、賃貸借契約と共にAppleに加わります。10億ドルと評価される今回の取引は、特定の管轄区域内の労使協議会およびその他の協議会を含む当局からの承認その他の慣習的条件により、2019年度第4四半期に完了する見込みです。

取得する現在および将来の無線技術に関する特許とAppleの既存のポートフォリオを合わせて、Appleは、セルラー標準のためのプロトコルからモデムアーキテクチャおよびモデムオペレーションにいたる17,000以上の無線技術に関する特許を持つことになります。インテルは今後も、PCやIoTデバイスそして自動運転車などスマートフォン以外のアプリケーション用のモデムを開発する能力は保持することになります。

「この合意により私たちは、私たちのチームが作った極めて重要な知的財産とモデム技術を保持しながら、5Gネットワーク用の技術開発にフォーカスすることができます。Appleのことはこれまでもずっと尊敬しており、彼らがこの才能あるチームとこれらの重要な資産をさらに未来に向けて発展させていくのに相応しい環境を提供してくれるものと確信しています。私たちは、ネットワークオペレーター、通信装置メーカーそしてクラウドサービスプロバイダーを含む私たちのグローバルな顧客ベースのニーズに、最も密接に関わる5Gに全力を挙げて取り組むことを楽しみにしています」と、インテルのCEOボブ·スワンは述べています。

source：Apple

将来的にiPhoneにAppleの自社5Gモデムを搭載できるかも。

今年4月にAppleと半導体大手クアルコムとのiPhoneのモデムでの特許訴訟で全面和解しました。それによりAppleはクアルコムに和解金を支払うとともに、6年間のライセンス契約を結ぶことになりました。これで5G対応が遅れていたAppleのiPhoneも2019年は無理としても2020年からは確実に5G対応のiPhoneを発売できます。また、これによりIntelはスマートフォン向け5Gモデムから撤退。Intelとしては開発が遅れていた5G事業をAppleとクアルコムの和解により手放すことにしました。での、Appleが買収です。やはりAppleとしてはクアルコムの高いモデムより自社開発を選びました。ただし、自社製モデムをiPhoneに搭載するまではまだまだ時間が掛かりそうです。

5G通信は韓国、米国で今年4月からサービスが開始されました。日本では2020年から商用サービスを開始予定ですが、人の多い都心部や1本のアンテナでのエリアが狭いため、う〜ん、今の4Gレベルになるのはまだまだ先の話です。今年のスマートフォンに5G通信が搭載されても長く使わなければそこまで必要ではありません。

今回のIntelスマートフォン向けモデム事業を買収により、AppleはMacBook シリーズに4G、5Gモデムを搭載することも出来ます。5G通信モデムがMacBook シリーズに搭載されたら、もうWi-Fiは要らない！（Wi-Fiの規格も高速になるので実際はそうなりませんが） 大容量の処理を実施するノートPCやMacBook シリーズに5Gモデムが搭載されれば仕事のやり方も変わってくると思います。

今回の買収でAppleが今後クアルコムのモデムに頼らない道もできました。そのことが、iPhoneユーザーの特になることを期待しています。

それでは(^_^)/