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Apple、2024年後半または2025年にQualcommモデムチップからの移行を計画中? BroadcomのWi-Fiチップも自社に移行し通信系を1チップ化に取り組んでいる。

AppleのiPhoneの5G通信モデムチップはQualcommのチップを使用しています。以前、iPhoneの通信モデムについてはQualcommとの特許ライセンスの使用、使用料で法廷闘争、和解し引き続きQualcommのモデムチップを使用しています。その点についてはIntelの5G通信モデム部門の買収等で自社製に切り替えたいが失敗し現状にあります。

MacRumorsより

Apple、2024年後半または2025年にQualcommモデムチップからの移行を計画中? BroadcomのWi-Fiチップも自社に移行し通信系を1チップ化に取り組んでいる。

Bloombergの新しいレポートによると、Appleは2024年にも早くもiPhoneで使用されているQualcommモデムチップの交換を開始したいと考えています。Appleは、Qualcommへの依存を減らすことを目的として、数年前から社内のモデムチップ技術に取り組んできました。

Apple は当初、2023年には独自のモデム チップを導入することを望んでいましたが、AppleのアナリストMing-Chi Kuo 氏は2022年後半に、Appleの開発努力が「失敗した」ため、Apple は近い将来 Qualcommに依存し続ける必要があると述べました。当時クオ氏は、Appleは5Gチップの開発を続けるが、その開発は 2023年のiPhone の発売に間に合わないだろうと述べており、Bloombergのレポートもこれに同意しています。モデムチップの開発には遅れが見られ、Appleはゆっくりとしたロールアウトを使用して、Qualcommへの依存を終わらせる予定です。Appleは、展開を他のデバイスに拡大する前に、単一のデバイスで独自のモデムチップを使用することから始めます。Qualcommからの移行には最大3年かかる可能性があります。

2024年から自社製チップに移行することに加えてAppleは2025年にBroadcomのワイヤレスコンポーネントの使用を停止したいと考えています。Appleは、現在Broadcomから調達しているコンポーネントを置き換える WiFi および Bluetooth チップに取り組んでいます。Appleは2020年にBroadcomとワイヤレスコンポーネントとモジュールに関する3年半の契約を結びましたが、その契約は2023年の半ばに期限切れになる予定です。

Qualcomm と Broadcom から供給されたハードウェアを置き換える個別のコンポーネントが現在開発中ですが、Bloombergによると、Appleはセルラー モデム、WiFi、および Bluetooth 機能を1つのコンポーネントに統合するチップにも取り組んでいます。また、BroadcomはAppleに無線周波数チップとワイヤレス充電用チップを供給しており、Appleはどちらも交換に取り組んでいます。

Apple は、iPhone用に独自のAシリーズチップを設計し、Mac 用にMシリーズチップを設計しており、Qualcomm との紛争以来、モデムチップとワイヤレス コンポーネントの交換が優先事項でした。Appleは 2017年にQualcommとの法廷闘争を開始し、 Qualcomm が関係のない技術の使用料を不当に徴収していると非難しました。Appleは5Gへの移行でQualcommから離れて、Qualcommの料金を支払うのをやめ、代わりにIntelのテクノロジーを使用したいと考えていましたが、IntelはAppleの基準を満たす5Gチップを製造できませんでした。

AppleはQualcommとの訴訟で和解を余儀なくされ、それ以来、「iPhone」とiPadのラインナップに Qualcomm 5Gモデムチップを使用してきました。Apple は 2019年にIntelのモデムチップ事業を買収し、チップ開発で有利なスタートを切りました。2024年は、AppleがQualcommを段階的に廃止できるほど技術が最終的に進歩するのが最も早い時期かもしれません。

Via: MacRumors
Source: Bloomberg

 

Appleなら通信系のチップを1チップ化を目指すのは納得。問題は技術的に可能か、特許ライセンス契約の期限もあるの時間は無い。通信端末としての信頼性が第一。

MacのチップをIntelチップから自社製のApple Siliconへ移行し(ほぼ移行完了。Mac Proの移行が未了)し、CPUとGPUを1チップ化したMシリーズを完成させました。iPhoneやiPadのAシリーズの技術から省電力、低発熱で高性能なチップです。AppleとしてはApple Siliconに他の機能のチップも統合し1チップ化を目指すのはこの点からも予想できます。通信系の5GモデムやWi-Fi、Bluetoothチップも最終的にはApple Siliconに統合を目指すでしょうが、技術的な問題もあるでしょうから先ずは通信系で1チップ化を目指すのが手です。

今回のレポートは過去から、AppleとしてはQualcommの通信チップからの依存性を減らす(高いロイヤリティーを払う必要があるため)目的が一番です。そしてそれと共に通信系の1チップ化はiPhone内の基板を小さくし、その分をバッテリー搭載や小型化など別の用途へ使う狙いもあります。

現状の問題は、自社製の5G通信モデムのチップの開発が問題なく進んでいるのか? 特許ライセンスの契約が切れる前に完成するのか? 自社製モデムチップの信頼性、性能も問題になります。時間は掛かるかも知れませんがいずれはクリア出来る問題ですが、この辺りのアナリストの方々の情報は過去から予想がズレずれで、私としては信頼性が低い〜まだAppleとしては自社製に移行できる技術力がないのでは?と不安視しています。(Appleとしてどの事業に優先的にお金を使うのか、どんなに頑張っても製品化できなかったAirPowerもあるので)5G通信モデムのチップが完成しても、次の次世代モデム(6G)の開発に遅れは無いのか?などの心配もあります。

ユーザーとして、iPhoneは通信が安定して出来なければタダの文鎮です。CPUやGPU、メモリやカメラ機能の高機能化が常に注目されますが、通信端末としての安定性も必要ナノがiPhoneです。まあ、Appleさんも分かっていての自社製への移行を狙っていると思います。

それでは(^_^)/

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